水玉の徒然なるままに

水玉の好きなことについてあれこれ書くものです。

MENU

【剣道】頭で勝つ!作戦で勝つ!試合中の考え方

f:id:mizutama2018:20200202115156j:plain

僕には剣道の才能はなかった。

 

僕は小学校から剣道を始めた。

 

たまたま入った道場は県下でも有数の強豪で、とても強い人達が、集まっていた。

 

厳しい練習に耐えて、試合ではそこそこ勝つことができた。

 

体格には恵まれなかったが、小学生の試合なので、そこまで体格のハンデは感じなかった。

 

ところが、中学校、高校と剣道を続けるうちに、体格のハンデは大きくなった。

 

同級生はみんな体がガッシリとしてきて、力負けすることも少なくなかった。

 

当然、パワーのある同級生の方が竹刀を振るスピードも速く、僕の方が速く打ち出しても、合い面(お互いに面を打ち合う)で負け。

 

自分なりに、自主練に取り組んだり、食べる量を増やしたりと努力したが、もともとの体質もあってか、体の線は細く、背も小さいままだった。

 

当然、部内で勝てない僕が団体戦のメンバーになることはなく、補欠にすら入れなかった。

 

剣道を辞めようと思ったことは数え切れないほどだった。

 

でも、勝ちたい。

 

この気持ちが、僕の心に最後まであった。

 

そこで、考えた。

 

体の線は細い。竹刀を振るスピードもそこまで速くない。

 

そんな僕が、どうしたら試合に勝てるのか。

 

僕の出した答えは、頭脳で勝つ。作戦で勝つ。

 

埋まらない体格の差を頭脳でカバーすることを考え、毎日必死でどうしたら、試合で勝てるのか考えた。

 

その結果、高校では県の予選を勝ち抜き、二年連続中国大会出場。市内の大会で個人戦準優勝。

 

大学剣道ではレギュラーを獲得。段位も四段に合格した。

 

今回は、僕がたどり着いた考え方を、僕のように体格に恵まれなくても、毎日稽古に励んでいる人に伝えたいと思う。

 

 

1はじめに

f:id:mizutama2018:20200202114417j:plain



・接戦は印象で決まる。

剣道は三人の審判のうち、二人が一本と認めれば一本となる。試合の勝敗は審判が決めるので、審判への印象はとても大切だ。

 

審判も人である以上、公正、公平な審判に努めようと思っても、どうしても人の意思が入る。

 

つまり、審判に嫌われると試合には勝てないのだ。

 

したがって、審判が勝たせたいと思う選手を目指せばいい。

 

どうすれば、審判に好かれるか?

 

まず、あいさつ

 

これは、とても大切だ。

 

さっきも言ったが、審判も人である。気持ちの良いあいさつをする選手は好かれる。

 

これは、社会に出ても同じこと。

 

剣道の大会会場で審判とすれ違ったり、近くに審判が通りかかってきたら、速攻で、誰よりも早くあいさつをして、顔を覚えてもらうべきだ。

 

次に、試合中に審判の印象を良くする方法を紹介したい。

 

それは、審判の好きな剣道をするということ。

 

接戦になって、両者の剣道の力量に大きな差がない時、審判はどちらを勝たせるか、無意識に決めている。

 

審判の勝たせたい選手の共通点は、基本に忠実な選手だ。

 

姿勢が崩れない構え。真っ直ぐに振る竹刀。思い切りのいい技。正々堂々な試合スタイル。

 

これらができる選手は審判に好かれやすい。

 

したがって、接戦になった時に勝ちやすいのだ。

 

だから、剣道で試合に勝ちたいなら、審判に好かれるような振る舞いや、試合をすることを考えるべきだ。

 

 

 

2負けない選手を目指せ

f:id:mizutama2018:20200202114519j:plain

試合に勝てない選手がいきなり試合に勝つことはできないと僕は考えている。

 

試合に勝つ選手に至るには、「負けない選手」になる段階があるからだ。

 

負けない選手とは、厳密に言うと、「負けにくい選手」だ。

 

この章では、「試合に負けにくい選手」になるための方法を書いていこうと思う。

 

 

・負けにくい選手は味方にもありがたい

f:id:mizutama2018:20200202114552j:plain

負けにくい選手は、実は味方にも、指導者にとってもありがたい。

 

なぜか?

 

試合の戦略がたてやすいからだ。

 

指導者の立場で考えて欲しい。

 

選手Aは、10試合中、5勝5敗。

選手Bは、3勝1敗6引き分け。

 

あなたはどちらの選手を団体戦に使うだろうか?

 

僕なら選手Bを使う

 

というより、ほぼ9割近くの指導者が選手Bを選ぶと思う。

 

たしかに選手Aは勝数は選手Bより上回っているが、引き分けがない。

 

つまり、選手Aを試合に出すと、良くも悪くも必ず戦況が変わるということである。

 

このような勝つか負けるか読めない選手は、指導者の立場からすると、メンバーに入れるのが怖い。

 

団体戦は5人制。

 

一人一人の戦績がとても試合の勝敗を左右する以上、選手Aのような選手はメンバーに入れにくい。

 

しかし、選手Bのような選手は、3勝と、6引き分けがある。

 

つまり、9割の確率で戦況が悪くならない。

 

これはとても味方にとってありがたい。

 

このように負けにくい選手とはそれだけで、味方にとってありがたいのだ。

 

次からは負けにくい選手になる方法について、述べていきたい。

 

・捨身で技を打つな

剣道を長らくやってきて、よく「捨身で打っていけ!!」という指導者や父兄を目にする。

 

バカかと思う。

 

この言葉には2つの意味があると考える。

 

1つ目は捨て身なくらいに思い切り打っていけということ。

 

この意味で捨て身という言葉を使っているのであれば、正しい使い方だと思う。

 

しかし、この意味を選手も理解しているかという点も踏まえると微妙ではあるが、、、

 

僕がバカかと思うのは2つ目の理由。

 

単純に試合に対しての積極性がないから捨て身で打て。と言っている人だ。

 

試合に向けて、厳しい稽古の日々をおくり、やっとのことで臨んだ試合で、当たるかどうかも分からない技を打っていくことは愚か以外の何物でもない。

 

そんなもので、仮に一本を取っても、それは運であって実力ではない。

 

技を繰り出すには必ず理由がなくてはいけない。

 

その技は何のために打つのか、どうしてその技を選んだのか、後から聞かれても答えられる選手を目指して欲しい。

 

そして、今までの自分の剣道を振り返って、2つ目の意味で捨て身で技を繰り出していた人はこの機会に、これまでの努力を運に任すなど有り得ないことだというこたを頭に入れておいて欲しい。

 

・足捌きは超重要

f:id:mizutama2018:20200202114623j:plain

剣道において、足捌きはとても大事だ。

 

相手の打突を足でかわすことができれば、その分チャンスがうまれる。

 

しかし、これに気が付いていない人は多いと思う。

 

剣道を長年やっている高段者のおじいちゃんに稽古をお願いすると、ボコボコにされる。

 

力もスピードもこっちが速いのにだ。

 

それは、高段者になればなるほど、無駄な動きがそぎ落とされていくから。

 

相手の打突を足でよけ、技を出す。

 

構えをなるべく崩さない。

 

それが徹底されているからこそ、高段者のおじいちゃんは強いのだ。

 

だから、これを読んでくれている人も相手の打突はまず足でかわすことを考える。

 

それが無理なら、竹刀、それでも無理なら体という風に、今まで、相手の技を竹刀で全てよけていた人は地稽古の時から少しずつ足でよけることを意識してほしい。

 

・打たれた時の対応

相手に打たれてしまった時、一工夫で一本になるはずの打突が一本にならない時がある。

 

それは、どっしりそのまま構えて、動じていない様子を審判にアピールすること。

 

審判も人なので、本当に当たっているのかたまに見えていない時がある。そんな時、一人が旗を上げるとそれにつられて旗を上げてしまう審判がいる。

 

この方法は、そんな時に使える。

 

打たれても、そのまましっかり構えていると、よく見えていなかった審判は旗を上げられなくなるのだ。

 

もちろん、これに頼らずに打たれないための最大限の努力と対応の後でやってほしい。

 

・相手を研究しろ

スポーツの世界において、相手の情報は作戦を立てる上での基本だ。

 

相手がどんな剣道をしていて、どんな技が怖いか、知っているのと、知らないのでは大きな差になる。

 

試合前に相手がアップしている所を見かけたら、そのプレイスタイル、打ち方の癖、防御の癖を、頭にインプットして、作戦を立てることで、勝率は大きく変わる。

 

その他にも、同じ学校の人で、自分の対戦相手と試合をしたことがある人に聞き込みをしておくのもいいだろう。

 

僕は、現役の時に試合の会場に行くと、まずは対戦相手が誰なのかをいち早くチェックし、アップの時間に対戦相手の剣道を見て作戦を考えていた。

 

また、それができなかった時は、対戦相手と戦ったことのある友達にしつこいくらいに試合の様子を聞き、作戦を考えていた。

 

才能のない者にとって、この相手を知ることはそれだけでアドバンテージを得られるので、ぜひやって欲しい。

 

3試合中の考え方

試合中どんなことを考えているか?

 

剣道の試合中の考え方は大きく分けて3種類に分類することができる。

1.お互いに一本をとっていない状態

2.自分が一本を先取した状態

3.相手に一本先取された状態

 

もちろん、団体戦の副将戦、大将戦などは、これよりもっと複雑な考えが必要になるが、まずは、この三つの考えが基本になる。

 

小学生のように素直に技を繰り出すことで、勝てるのは、せいぜい中学生までだ。

 

それ以降は、きちんとした戦術のもとで試合をすることが重要だ。

 

この章では、それぞれの状態の時、どのように試合をするのか述べていきたい。

 

 

・勝ちを急がない

f:id:mizutama2018:20200202114747p:plain

まずは、どちらも一本をとっていない状態。

 

この時は、相手との力が同等か、相手の方がやや力は劣るが一本を決めきれない。

 

または、相手の方が強いが自分がなんとかしのいでいる、そんな状態がある。

 

まず、どのパターンにも言えることだが、「勝ちを急がないこと」これに尽きる。

 

剣道は三本中二本を取った方の勝ちとなる。

 

しかし、相手から二本とることは難しく、勝ち抜くに連れて一本の重みが増してくる。

 

したがって、僅かなチャンスをものにすることが、勝ち抜いていく上で重要だ。

 

勝ちを急ぐなというのは、一本をとることに捉われすぎると、足元をすくわれてしまうということだ。

 

剣道というのは、二本取れば勝つ。

 

しかし、一本でも勝てる

 

だから、丁寧に練られた作戦のもと、一本取ればそれでいいのだ。

 

だから、勝ちを急ぐな。

 

まずは相手を見極める。

 

構え方、打ち方の癖、揺さぶりに対する反応、防御の仕方。

 

試合が始まったら、相手をまずよく観察する。

 

観察して分かったことをもとに、対策を考え、試す。

 

それで一本が取れればそれでよし。

 

取れなくても焦らない。

 

また、考え直す。

 

試す。

 

この繰り返し。

 

一本が取れなくても焦ることはない。

 

焦ればあせるほど、技が雑になる。

 

いつもと違うことをする。

 

その結果、不慣れな事をして、失敗する。

 

ピンチを生む。

 

打たれる。

 

負ける。

 

自分のしてきた事を信じ、技を自信を持って出す。

 

これ以上に強い技は無い。

 

・1本取ったら逃げ切ろ!

無事に一本を取れたら、そのまま時間が来れば勝てる。

 

その場合の逃げ切り方を紹介したいと思う。

 

受けに回らない。

 

相手の心境になって考えて欲しい。

 

相手はこのままでは負ける。

 

一本を取るために必死でくるはず。

 

そんな、相手に対し防戦すると、相手はとても気楽に攻め続けることができる。

 

なぜなら、相手に反撃されず自分だけが攻め続けることができるから。

 

このような状態はとても危険なので、工夫をしないといけない。

 

応じ技を使う。

 

一本を取り返したい相手は当然、打ってくる。

 

向こうが攻撃してくるのであれば、応じればいい。

 

仕掛け技として、多いのは面なので、基本的な出ばな小手や、面返し胴が有効だ。

 

どちらかを打てるようになれば、試合運びもぐっと楽になるはず。

 

ただし、やり過ぎると相手も小手からの面の連続技や、面と見せかけての小手など、工夫をこらしてくるので、ここぞ!という場面で使うといい。

 

 

・1本取られた時の取り返し方

一本を取り返したい時、焦りの気持ちもあると思うが、ここでも勝ちを急ぎすぎると、相手に二本目を取られてしまう。

 

冷静になろう。

 

相手にとって一番楽なパターンは、打ってきてくれること。

 

これは、応じ技の機会も増えるし、何より単純な技を捌くことは簡単だから。

 

ここでは、相手を苦しめなければならない。

 

どうするか?

 

構えたまま、ゆっくり間合いに入っていく。

 

相手としては、打ってきて欲しいのになかなか打ってくれないので、落ち着かなくなってしまう。

 

そして、相手がそのまま間合いをつめて、つばぜり合いに持ち込むための中途半端な技を出したところを応じて打てばいい。

 

だいたい、小手、面が多いと思うので、相手をよく観察して、適切な応じ技を打つといいだろう。

 

4まとめ

 

剣道は体格差関係ないと言われたことがあるが、嘘だ。

 

背が高ければ遠間から技を打つことができるし、体格が良ければつばぜり合いで押し負けたり、相手の体当たりに飛ばされることもない。

 

しかし、柔道やその他の格闘技のように体重別の階級が無い剣道では、自分のまた体格、身体能力のスペックで戦うしかない。

 

そして、体格に恵まれない選手は何かでそれをカバーするしかない。

 

誰にもできないような技か?

 

スピードか?

 

なんでもいい。

 

ただ僕の場合はどれもなかった。

 

だから、頭に頼るしかなかった。

 

僕のように剣道をやっているけれど、体格やスピードなどの理由で勝てないのなら、徹底的に作戦を磨いていくしかない。

 

今回の記事によって一人でも多くの剣士が、志半ばで剣の道から退場することがない事を祈っている。