こんにちは!!最近QYLDという超高配当ETFが人気です。
この記事を読まれている方の中にも、QYLDを保有している方もおられると思いますし、現在QYLDへの投資を検討している方もいるでしょう。
しかし、僕はQYLDへの投資はおすすめしません。また高配当株投資を始めようと思われている方にも、QYLDはおすすめしません。
そこで、今回はQYLDを僕がおすすめしない理由について解説していこうと思います。
投資初心者にQYLDをおすすめしない理由
僕がQYLDへの投資をおすすめしない理由は、メリットに対してデメリットが大きいからと判断しているからです。
そこで、この記事でQYLDに投資するメリットとデメリットについて解説しようと思いますが、そのためにはこのETFがどんなETFなのかを説明しないといけません。
もうすでに、どんなETFなのかご存知の方は読み飛ばしてください。
QYLDとはどんなETFか。
まずは、QYLDの基本情報を示しておきます。
カバードコールって何だ?と思った方が多いと思います。
カバードコールを理解するには、オプション取引を理解しないといけません。
ただ投資の初心者の方にカバードコールを説明することはとっても難しいです。
そこで今回のところは「値上がり益を捨てる代わりに、高配当を手に入れる投資手法」と思ってください。
QYLDのメリット・デメリット
ここからは、QYLDのメリットとデメリットについ考えていきます。
メリット
僕が考えるメリットは以下の2つです。
- 配当利回りが高い
- 毎月配当がもらえる
- 1株の値段が安い
最初のメリットはやはり、超高配当な利回りです。
平均で10%程度の利回りがあります。インデックス投資の平均リターンが6~8%だと考えるとそれを上回る配当リターンを得ることができます。
仮に5000万円のポートフォリオが全てQYLDなら年間400万円(税引き後)もらえますので、これで十分FIREが可能になる額です。
次に2つ目のメリットとして、この超高配当な配当金が毎月もらえるという点です。
毎月もらえると、家計の1つの収入源としても機能しやすいです。
最後に、1株あたりの値段が安いという点も良いところです。
現在の株価は20$付近で、だいたい1株2300円程度で購入可能です。
1株何万円もする株にはなかなか手がでませんが、2000円~投資できるのは良いですね。
デメリット
QYLDのデメリットは以下の通りです。
- たこ足配当
- 値動きが激しい
- 長期で右肩下がり
- トータルリターンではQQQに投資する方が良い
- 手数料が高い
- 運用状況が分かりにくい
たこ足配当だから
QYLDは毎月配当を出しているETFです。
運用で儲かったお金を配当金として、投資家に配ってくれるなら良いのですが、儲かっていないのに配当金を出すことはただ、自分が投資したお金を小分けにしてもらっているにすぎません。
このような配当をタコが自分の足を切り離す様子から、タコ足配当と言います。
QYLDはこのタコ足配当の可能性が強いです。
その証拠として、QYLDの運用報告書を見てみます。
これは、2016~2020年の5年間の1株当たりの投資利益と配当金の推移を示したものです。
これを見ると、投資成績が、分配金の合計を上回ったのは2017年の1年間だけです。
つまり、それ以外の4年間は元本を削りながら、配当金を出していることになります。
これは、典型的なタコ足配当なので、僕はQYLDへの投資はお勧めしません。
値動きが激しい
高配当と言うと、値動きがグロース株に比べて、少ないと言うイメージがありますが、QYLDの中身はNASDAQ100指数を使いオプション取引を行っているためか、結構な幅で値動きがあります。
これは、QYLDのだいたい1年間の値動きです。2月につけた最高値23.5$付近から徐々に下落し、現在は20$付近をうろうろしています。
「3.5$の値動きなら少ないのでは?」と思うかもしれませんが、%に直すと15%程度の下落です。
2021年2月に100万円分のQYLDを買った人なら、85万円まで減っている計算です。
高配当だからといって値動きが少ないだろうと思って投資すると、痛い目を見ると思います。
特にQYLDのような高配当株は何株も保有して、配当金を上げていく人が多いと思うので、何百万円も投資している人も多いと思います。
配当はもらえるけれど、長期で下落し続けるのは僕は精神的にキツイですね。
長期で右肩下がり
2014年~2022年現在までの長期チャートを示しています。
2014年につけている最高値の26$を回復できていません。
いくら多くの配当金を受け取れるとはいえ、長期で右肩下がりの銘柄には投資したくないです。
ちなみに、高配当投資の中では値上がり益も狙えるVYMとチャートを比較してみるとこんな感じです。
VYMの圧勝です。
高配当株に投資するなら、VYMをおすすめします。
トータルリターンではQQQに投資する方が良い
こちらは同じNASDAQ100指数に連動するETFのQQQです。
QQQの株価は約6年で257%成長したのに対し、QYLDは20%の下落です。
もはや、どちらに投資した方が良いか比べるまでもありません。
そもそもNASDAQ100指数はS&P500にならぶ世界最強指数の一つなので、その値上がり益を放棄することは理にかなっていないと僕は思います。
手数料が高い
QYLDの手数料は0.6%あります。これはETFの中では高い数字で、QQQは0.2%、S&P500に投資できるVOOは0.03%です。
そしてこれら2つの方がトータルリターンが高いです。
投資商品において手数料が低いことはとても大事なことなので、ここでもQYLDはQQQに負けています。
運用状況が分かりにくい
QYLDはカバードコール戦略という、複雑な投資手法を行うETFのため、運用状況が大変分かりにくいです。
投資している側からすると、自分の投資しているものについての運用状況は知っておきたいことなので、これが不透明なQYLDには安心してお金を預けることができないと思いました。
「お前の勉強が足りないからだ」と言われればそこまでですが、VOOやQQQのように投資方針も分かりやすくて、リターンも良い投資商品が他にもあるので、僕はそれでいいかなと思います。
まとめ
今回は僕がQYLDをおすすめしない理由について解説しました。
投資方針は人ぞれぞれですので、今回紹介したデメリットを承知の上、それでも超高配当を求めて、QYLDに投資したいということであれば、投資すれば良いと思います。
パフォーマンスは長期で下落していますので、大きく下がったタイミングで配当金再投資を行えば、トータルリターンを上げることができると思います。
皆さんの投資がうまくいくことを願っています。