いつものように本屋へ出かけた。
ネタ探しである。
もう、自分の中にあるネタはとっくの昔に尽きているため、インプットをしないと記事が書けない。
「はやくバズらねえかな」などと思いながら本棚を眺めていると、目を引く本を見かけた。
「すごい!行動経済学」
行動経済学・・・・
25年生きてきて出会う新出単語だった。
普通の経済学ならなんとなく想像がつく。
しかし、今目にしているのは行動経済学である。
苗字をお持ちの経済学様である。
時代が時代なら、高い身分についているだろう高貴なお方だ。
そして、なんか響きもかっこいい
「行動経済学」・・・・。
「日常で使ったらかっこいいけど嫌われる言葉」できっとオリコンランキングに入る言葉だろう。
そう思うと、なんだかとても興味がわいてきた。
「これ買ってる俺かっこよくない?知的な感じでるんじゃない?」
そういうわけで、コミックスを買う時とはちがい、ちょっとかっこつけた感じでレジに向かった。
行動経済学の本を学ぶ人がだらしない顔では行動経済学様に申し訳ないからだ。
というわけで、今回はこの「すごい!行動経済学」を読んだ感想を書いていきたいと思う。
行動経済学とは?
この本では行動経済学についてこのように説明している。
「行動経済学」は簡単に言うと「心理学」とお金の損得を扱う「経済学」を合せた学問です。
本書より引用
本書によるとそれまでの経済学では、人が最善の選択をして行動することを前提とした、予測がされていました。
しかし、実際はそうではありませんよね?
人には感情があるので、必ずしも最善の選択をとることはない。
それを含めて、人の行動を予測してお金につなげることを考えるのが行動経済学です。
本の内容
この本の内容は身近なことを例にして、社会に溶け込んでいる行動経済学について解説するというものだ。
例えば「なぜソーシャルゲームはやめられないのか?」では、人が持つ性質にうまく行動経済学をあてはめて、作られていることを解説している。
また日常の生活にうまく行動経済学を活かす方法なども書いてあり、勉強になる。
個人的に面白かった点
ソーシャルゲームにハマる理由
この話題が、一番最初に書かれていることはおそらく行動経済学が応用されていると思う・・・たぶん
いきなり身近な話題がくるものだから、もうこれは楽しくてしょうがない。
しかも、書かれていることは、ドヤ顔で言えそうな単語ばかりだから、読んでいる間誰もいないのにかっこつけている自分に気が付いたくらいだ。
ふざけるのはこのくらいにして、少しこの話題について語りたい。
ソーシャルゲームにハマる理由はいくつかあるが、かっこいい言葉でいうと、IKEA効果とサンクコスト効果だ!
IKEA効果とは「自分がかかわった物の評価が高くなる」というもの。
どういうことかと言うと、例えば有名な家具メーカーのIKEAは家具のパーツを販売し、買った人はそれを家で組み立てるという方式をとっている。
つまり、自分で組み立てるので、その買った家具に愛着が生まれ、結果的にその満足度が高くなる。
これをソーシャルゲームに応用すると、プレイを続けることによって、ゲームに愛着がわき、なかなかやめることができなくなるのだ。
もう一つの「サンクコスト効果」は費やした時間がもったいなくてやめられなくなるというもの。
これは分かりやすいし、体験したことがある人も多いと思う。
ソーシャルゲームのプレイ時間が多くなればなるほど、今までの時間を無にするのがもったいなくてやめられなくなる。
本書はそれ以外の理由も書かれているので、ぜひ見て欲しい。
イチローに学ぶ目標の立て方
人は得をした喜びよりも、それを失ったり損をしたりするダメージのほうが大きいということをまず覚えて欲しい。
例えば、株価が10円上がり10円儲けたあと、次の日に10円下がりもとの値段に戻ったとしても、精神的にはネガティブなダメージを受けるというものだ。
これを目標を立てる時に役立てると、達成できる割合が多くなる。
例えば元プロ野球選手のイチローは、年間の目標を打率ではなく安打数にしたそうだ。
打率を目標にすると、月ごとに打率の変化がある。
上がった月はいいが、下がった月のダメージは精神的に大きい。
しかし、安打数を目標にすると、減ることはあり得ない。
年間の目標安打数に向かって近づくことしかないので、モチベーションを保ちやすいのだ。
これはとても読んでいて面白かった。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段の生活では、あまりなじみのない言葉ではあるが、使い方次第で自分の生活を豊かにできる可能性を、たくさん含んでいると感じる。
この他にも、保険について、マイホームについてなど私生活に直結する内容もたくさん書かれていた。
自分の普段陥りやすいことに実は名前がついていると分かると実際に同じことが起きたとしても、「これはIKEA効果だ!」などと冷静になれることもある。
そういう意味でとても価値のある本だったと思う。