水玉の徒然なるままに

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本物か、作り話なのか? 「府中3億円事件を計画・実行したのは私です」(感想・レビュー)

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この本を見つけたのは本当にたまたまでした。

別の本を買いに書店に行った僕は、

 

「府中3億円事件を計画・実行したのは私です」

 

この言葉に足を止めました。

最初は「どうせ作り話にちがいない」という感情が頭の中にありましたが、作り話だと

しても、この小説が一つの話として面白ければいいという気持ちから、この本を手にと

り、表紙をめくりました。数ページ立読むことにしたのです。

 

 

1 三億円事件とは?

そもそも三億円事件がどのような事件かご存知でない方に軽く事件の概要を説明あいたいと思います。次の引用をご覧ください。

 

現金輸送車に積まれた東京芝浦電気(現・東芝)従業員のボーナス約3億(2億9430万7500円)が、白バイまで用意した偽の白バイ隊員に奪われた事件である。
『三億円強奪事件』ともいわれているが、事件のあった日本に於いては本件犯行は強盗罪には該当せず、窃盗罪となる。犯人が暴力に訴えず計略だけで強奪に成功していること、盗まれた3億円は日本の保険会社が支払った保険金により補填され事件の翌日には従業員にボーナスが支給されたこと、その保険会社もまた再保険をかけており日本以外の保険会社によるシンジケートに出再していたことから補填されたために、直接的に国内で金銭的損失を被った者がいなかったという認識、ならびに被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われる。
一方で、マスコミ報道被害を受け後年自殺した人物や、捜査過労殉職した警察官2名が存在する。
警視庁捜査において容疑者リストに載った人数は実に11万人、捜査した警察官延べ17万人、捜査費用は7年間で9億円以上が投じられる空前の大捜査となったが、1975年(昭和50年)12月10日、公訴時効が成立(時効期間7年)。1988年(昭和63年)12月10日、民事時効成立(時効期間20年)。
日本犯罪史に名前を残す未解決事件となった。この事件以来、日本では多額の現金輸送の危険性が考慮されるようになり、企業従業員の給与・賞与等の支給を金融機関の口座振込としたり、専門の訓練を積んだ警備員による現金輸送警備が増加した。

 

 

2冒頭について

この本の冒頭は次のような文から始まります。

 

この書籍をごらんの皆さんへ

読者の皆さん。

ようやく心を決めました。

この場を借りて、ひとつの告白をさせていいただきます。

これは私の人生において最も大きい秘め事でございます。そしてその秘匿は、今もなおテレビや雑誌などで議論の対象になっているものであります。その真相をお話しします。

ー「府中3億円事件を計画・実行したのは私です」

 そして、ここから犯人である「白田」という人物がいかにして、3億円事件を計画するにいたり、実行し、時効まで逃げることができたのかということが、事細かく当時の心情や出来事を織り交ぜながら書いてあります。

その話はとてもリアルで、今まで世の中にあった3億円事件をモデルにした小説などには、書くことができない内容です。

 

3作者について

作者はこの本の主人公である「白田」という名前です。

作者はこの本で現在の暮らしについて本ではつぎのように書いています。

私は現在、息子夫婦と暮らす一人の老人でございます。孫にも恵まれ、人並みではありますが慎ましい幸せを享受しています。(中略)

ここで私がお伝えしたかったのは、現在はどこにでもいるような老人として暮らしているという事でございます。私などの身には余るほどに幸せな生活を送っておりました。

 と書かれており、年は69歳(執筆時)と書かれていました。

事件から50年がたとうとしていますので、犯行当時は19歳の青年であったということが分かります。

 

4お金目的ではなかった!?

さて、この記事を読んでくださっている方は「なぜこのような事件を起こしたのか」ということが気になると思います。作中で作者の白田さんは次のように語っています。

 

「ーこの事件は私の青春そのものなのです」

 

作品を読んでいけば分かることですが、白田さんはたしかに3億円を奪い、逃走し、そして時効を迎えています。しかし、その行動の理由は大金を手に入れることではありませんでした。

正確に言うと、「お金だけではなかった」という言い方が正しいです。

人間関係、時代背景、主人公の半生、さまざまな要因が複雑に絡み合った結果あの事件は起きたのです。

 

 

 

5まとめ

今回「府中3億円事件を計画・実行したのは私です」を読んでみました。

どんどんお話に吸い込まれ、気が付けば3時間くらいであっという間に読んでしまいました。

この本を読んでもいくつか疑問は残ります。

 

まず、盗んだお金はどうしたのか。

 

盗んでから今に至るまでどのような生活を送っていたのか。

 

そして、この話は本当なのか

 

様々な疑問は残りますが、

本当だと仮定するならば、この本を通して当時の犯人の心境や、考えをこれほどリアルに分かるものはありません。

 

また、フィクションであったとしても、3億円事件をあつかった一つの物語として、これほど完成度が高いものもありません。

 

告発本としても、小説というエンターテイメントとしても楽しめる1冊となっていますので、ぜひ本屋でお買い求めください!

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府中三億円事件を計画・実行したのは私です。

それでは!